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食虫植物、ハエトリグサが枯れてしまうNGな昆虫たち。

我が家で育てている食虫植物

子どもの時から食虫植物にはなんとなく興味があった。虫を食べる植物なんて不思議だなぁと思ったものだ。とはいえ、身近に縁があったわけでもなく、もっと詳しく生態を調べてみようとならなかったところが総じて学びの浅い自分らしい。
さておき、そんな僕の子ども心が掻き立てられたのが今年の5月。ホームセンターのカインズで食虫植物を見つけてしまったのだ。しかも、安い。どうやら食虫植物がふつうにホームセンターで売ってることを知らなかったのは僕だけなのか。即購入。
ハエトリグサ、ウツボカズラ、モウセンゴケの3種類を衝動的に買ってみて育ててみることにした。正確にはハエトリグサの仲間、ウツボカズラの仲間、モウセンゴケの仲間と言ったほうが良いのかもしれないけど、詳細はよくわからない。

ハエトリグサひとつみても、“ウツボカズラ目モウセンゴケ科ハエトリグサ属”のハエトリグサらしい。どうやら植物の世界は複雑だ。ハエトリグサは絶滅危惧Ⅱ類(VU:Vulnerable)でもあるらしい。絶滅危惧種でも販売や飼育ができるのは条約や法律で規制されていないからだ。とはいえ、貴重な生きものであることに変わりはない。

比較的容易な育て方

衝動的に買っただけに育て方に若干の不安はあったものの、この3種類の食虫植物はどれも比較的容易だった。
この3種類に共通している大切なポイントは、。湿地性の植物だけに乾燥は大敵。毎日、朝と晩に1回、たっぷりの水をあげる。毎回、鉢の底や上から水が流れるレベルでたっぷりの水をあげている。
次に、貧栄養。どれも貧栄養下を好む植物らしく肥料も不要。むしろ、肥料をあげると枯れる原因になるらしい。購入後、いっさい肥料を与えていないけれど元気だ。

そして、太陽。直射日光が当たりすぎるのは良くないけど、太陽は好き。我が家の場合、夏でもベランダに置いたままだけど元気に育っている。

出張が多い身なので、特に夏の水やりが不安だったけど、パートナーに協力して貰ったり、たっぷり過ぎるくらいの水をあげることでなんとか乗り越えて今も元気に育っている。

ちなみに、ハエトリグサの場合、冬は休眠するらしく、そのまま外に出しておこうと思っている。我が家に来て初めての冬。果たして無事に乗り越えられるか。1月か2月には年に1回の植え替えにも挑戦したい。モウセンゴケも寒さには強いらしく、外に出しっぱなしだ。

この3種のなかで、ウツボカズラは寒さに弱いので、外の気温が20度を下回るくらいになったら家のなかにいれたほうが良いそうだ。今年は一気に寒くなったこともあり、10月には家の中にいれている。

ハエトリグサの天敵昆虫

食虫植物といえばその名の通り昆虫を食べて生きている植物なのかと思ったら、どうやら違うらしい。捕虫したら自分の栄養に変えるようだけれど、特に昆虫を食べなくても生きていけるようなのだ。
食虫植物だけに昆虫を故意に与えたくなるけれど、むしろ与えないほうが良いらしい。ハエトリグサの場合、捕虫する際の葉の開閉だけでかなりのエネルギーを使うらしく、どうやら5回程度開閉すると弱ってしまうようなのだ。ちなみに、水やり時も注意が必要だ。葉についているセンサーに水滴が落ちると葉が閉じてしまうときがある。

というわけで、故意に虫を与えたい気持ちを我慢しつつ控えているのだけれど、ベランダに置いておくと、21階という高層階にもかかわらず、ときどき勝手に捕虫しているから興味深い。

ただ、これまで、捕虫後に葉が閉じたまま黒くなり、結局は枯れてしまう現象が複数回起きたのだ。興味本位で黒くなった葉のなかを開けてみると昆虫が死んだまま消化もされておらず、喧嘩両成敗の様子。

気になって調べてみると、どうやらハエトリグサには苦手な昆虫がいることがわかってきた。

その1.アリの仲間

7月、我が家のハエトリグサが初めて捕虫したのが羽アリ(羽がついたアリ)だった。繁殖期になるとアリは羽がついて、飛べるようになるらしい。どうやら21階の我が家に迷い込んだまま残念ながらハエトリグサの餌食になったようなのだ。

何もしていないのに葉が閉じていることを不思議に思い、葉を光にかざして見たら、まさに羽アリがそのままの形で閉じ込められていて、しかもまだ葉っぱのなかで動いていた。

が、しかし、1週間もしないうちに葉っぱの一点が黒くなりはじめ、だんだんと黒い部分が広がってそのまま枯死。

黒くなりはじめたハエトリグサの葉

どうやら蟻酸というアリがもつ酸の影響らしいのだ。ちなみに、「蟻酸」と書いて「ギ酸」と読むらしい。

カルボン酸の一種であり、メタン酸ともよばれる。最初にアリの蒸留により得られたので、ラテン語のアリformicaにちなんで名づけられた。化学式HCOOH、分子量46.0。常温では無色の刺激臭のある液体で、皮膚に触れると水疱(すいほう)を生ずる。天然にはアリのほかにイラクサなどの植物にも含まれていて、イラクサに触れると皮膚がひりひりするのはギ酸によるといわれている。沸点100.8℃、融点8.4℃。水、エタノール(エチルアルコール)、エーテルによく溶ける。分子内にカルボキシ基(カルボキシル基)とアルデヒド基の両方をもつので、酸性と還元性を持ち合わせている。酸性は酢酸よりはるかに強い。工業的には、高圧下で一酸化炭素と水酸化ナトリウムとを反応させてギ酸ナトリウムをつくり、硫酸で酸性にすると得られる。いろいろな有機試薬や溶剤の合成、染色、皮なめしなどに用いられる。高等植物の種子や芽生えの子葉などに含まれるギ酸脱水素酵素により、ギ酸は二酸化炭素に分解される。

引用:コトバンク「ギ酸とは」2021.12.07.検索

まさかアリがそんな成分を体内に秘めているとは知らなかったし、アリってすごい。
ハエトリグサは葉っぱについたセンサーで動いたものを感知して虫を捕らえるだけで、さすがに虫の種類までは判別できない。どうやらアリの仲間には弱いようなのだ(※大丈夫なときもあるらしい)。

その2.カメムシの仲間

夏の盛りと終わりごろの2度にわたり、ハエトリグサの葉っぱの裏に白い粒々がついていた。見た目にもなんとなく気持ち悪いその粒々は、何かの昆虫の卵であることはわかっていたのだけれど、なんの卵かわからなかったので、ひとまず観察することにした。

数日して卵から出てきたのはなんとカメムシだった。そして、そのほとんどは葉っぱを移動中にハエトリグサの餌食になったのだ。

しかし、カメムシを飲み込んだハエトリグサもアリと同じく次第に黒くなり喧嘩両成敗の様相。この秋には成虫のカメムシが同じく餌食なったのだけど、アリよりも早く葉が黒くなりはじめて枯れてしまった。

カメムシを飲み込んだハエトリグサ

カメムシはあの臭いの成分を体内に秘めているわけで、どうやらハエトリグサはカメムシにも弱いらしい。人間同様、あの悪臭には耐えられないようだ。

カメムシ類は世界中で少なくとも約80科42,000種以上存在すると言われ,昆虫の中で最も多様性に富んだグループのひとつである.<中略>その最大の特徴は,(E)-2-hexenalや4-oxo-(E)-2-hexenal(OHE)に代表される炭素数6‒10のα,β-不飽和アルデヒド類やそのアルコール,エステルといった類縁化合物,またhexanalなど飽和のアルデヒドとその類縁化合物,炭化水素など複数の成分からなる臭気を生産・放出することである(Fig. 1).これら臭気成分は,外敵から身を守る防御物質として,また,性・集合・警報フェロモンとして同種間のコミュニケーションに役立つ.<中略>カメムシはビンに閉じ込めておくと自らのにおいで死に至ることがある.

引用:野下浩二,2015「カメムシ臭気成分の化学生態学的研究」『日本農薬学会誌』,pp152‒156.

どうやらカメムシはカメムシでとても興味深い生きものである。

これまで我が家でハエトリグサの餌食になった昆虫たち

ハエトリグサは捕虫して虫の養分を吸い終わるとまた葉が開く。捕虫した虫の種類や大きさにもよるらしいけれど、だいたい10日前後で再び捕虫体制にはいるみたい。

我が家のハエトリグサは、喧嘩両成敗になった羽アリカメムシの他、これまで、ザトウムシのような虫を捕虫した形跡もあった。ザトウムシは葉が黒くなることもなかったのでしっかりと養分を吸い取ることに成功したのだろう。

無事に越冬してくれたら来年の春には我が家に来て2年目を迎えるハエトリグサ。この先、どんな虫たちを捕虫するのか。虫には少し可哀想だけれど楽しみである。

越冬できますように。


 観察メモ

2021年:羽アリ、カメムシ、ザトウムシ

【おわり】

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