風が強い夜
ヒュー、ヒューーー、ヒューーーー。窓はしまっているのに、空気孔や窓の隙間を通り抜ける風圧が、鍵のかかった玄関の扉を押して、玄関の隙間を通り抜けて鳴いている。
高層階だから余計ということもあるけれど、雨も降っていないのに、今日は午後から風が強い。5歳の君は、保育園で砂ぼこりが目に入ってしまったらしい。風は今もまだ強い。もうすぐ夜中の12時だ。
吹き抜ける風の音を聞きながら、いろんなことを考えてしまう。今、考えていたのは、5歳の君に対する僕自身の行動や言動についてだ。
風の音を聞きながら反省
君に生きる力を伝えるのが僕の役目なのかもしれないけれど、僕自身、まだまだぜんぜんダメなことだらけだ。そのことに君もちょっぴり気づいているんじゃないだろうか。
やってはいけないことを僕自身が君の前でやっているのだ。 そして、僕が君に注意されてしまう。
今、僕は、君と一緒に横断歩道を渡らずに道路を横切ってしまったことを後悔している。どうかこの先、真似しないで欲しい。
こういうひとつひとつの積み重ねが、後悔してもしきれない事故を引き起こす可能性がある。
反省しなければいけない。僕自身の行動や言動を。
【おわり】