子どものこと、自然のこと、日々のこと、自分のこと。

命の重さは皆同じ。20年にわたり続いたアメリカの戦争が終わったアフガニスタン。戦争のない未来を切に願う。

アメリカ同時多発テロ事件から20年

2021年8月31日(火)、アメリカが続けていた戦争が終わった。今から20年前、2001年9月11日(火)、ニューヨークの世界貿易センタービルに2機の飛行機が突っ込んだ。日本人24人を含む、2,977人が犠牲になった。母親と見ていたテレビのニュースでそのことを知った僕は17歳だった。それから20年、アメリカはイラクやアフガニスタンで戦争を続けていた。
アメリカは何を得たんだろうか。結局は大切なものを失い続けた20年だったんじゃないか。ニュースを見ているとそう思ってしまう。「テロとの戦い!」を掲げて戦争を正当化してきたアメリカ自身が、憎しみや悲しみを世界中で増幅させ、新たなテロを生む原因をつくり続けてきた20年だったのではないかとそう思ってしまう。

情報のバイアスと命の重さ

アメリカと仲の良い日本から世界の情勢を眺めていると、どうしてもアメリカのバイアスがかかりやすくなってしまう。アメリカ人の言っていることが正しくて、タリバンの言っていることは間違っている。アメリカ人の死は尊くて、タリバンの死は仕方ない。アメリカ人はアフガニスタンの救世主で、タリバンは悪魔。決してタリバンを擁護しているわけではないが、日本人の多くはアメリカが善でタリバンは悪という構図に慣れてしまっている気がする。
アメリカがアフガニスタンから撤退する5日前。カブール空港近くで自爆テロが起きた。アメリカ兵13人を含め110人を超える人たちが死んだという。そして、その13人のアメリカ兵のほとんどが20歳前後と若く、近々父親になるはずだった兵士もいたとして、彼らは英雄だったとアメリカ大統領は称賛する。確かに彼らはとても気の毒だったけれど、流れてくるニュースに、残りの100人を超える人たちの命のことはほぼ出てこない。まるで最初からこの13人しか死者はいなかったかのような扱いだ。
アメリカはこの自爆テロの報復を即座にした。ドローンなる無人の兵器を使い、爆弾を積んだ車と犯人の殺害に成功したというのだが、どうやら多くの子どもたちを含む無実のアフガニスタンの一般市民ばかり10人が巻き添えをくらったのが真実らしい。
どっちが善で、どっちが悪なのか。

死んだ13人のアメリカ兵と、同じ爆発で死んだ残りの100人以上の命と、報復で巻き添えをくらった10人の命は、同じだ。まだ若かったとか、父親になるところだったとか、そんなことはまったく関係ない。若くて、父親になるところだったアフガニスタン人の犠牲者はきっともっと多かったに違いない。命の重さはみんな同じなのだ。

2041年9月11日(水)

様々な情報にアクセスしやすい社会になった一方で、自分にとって都合が良い情報しか目に留まらなくなり、一方的な見方や価値観を植えつけられやすい社会になってしまった。差別や偏見を助長し、多様性を否定してしまってはいないだろうか。無用な傷つけあい、ひいては戦争のきっかけになっていないだろうか。

今日の毎日新聞によれば、
対テロ戦争でこれまでに世界で約89万7000~92万9000人が死亡。このうち民間人は36万人以上を占めた。米軍の死者は約7000人で、米国が投じた戦費などは8兆ドル(約880兆円)に上った。
※引用:毎日新聞「9・11米同時多発テロ20年で追悼式 「犠牲あまりに大きい」」2021.9.11.

という。 単純計算で毎日123人~127人の人間が対テロ戦争で死亡し、そのうち約50人は民間人だったということになる。

思い返せばあっという間の20年だった。次の20年はどんな世界になるのだろうか。2041年9月11日(水)の空を見ることができるかわからないけれど、どうか戦争のない平和な世界を切に願う。

【おわり】

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