雪の思い出
君が4歳の時に住んでいたこの場所は、残念ながら雪はほとんど降らない。
「大雪」というニュースが流れれば、雪が多い地方の人たちに「これで大雪かよ」とディスられるほどで、それがまたニュースになるほどだ。それくらい雪は降らないし、雪に弱い。
※引用:JCASTニュース「この程度で大雪かよ(笑) 都民をディスる「雪国マウント」なぜ発生?投稿者の心理とは」2021.1.7.検索
僕が子どもの頃は東京周辺ももう少し雪が降って、雪だるまをつくったり、ソリで遊んだりした記憶が鮮明にある。
「今日は雪が降るかもしれない」という話を、親や友達、学校の先生から聞くと、ワクワクドキドキしたことをついこの前のことのように思い出す。今でも雪と聞くとちょっぴり嬉しい気持ちなるのは子どもの頃と変わらない。
押し付けるわけじゃないけれど、君にも雪を見せたくて、雪と遊んでもらいたくて、去年の3月には越後湯沢に行きました。
その時が君にとっての雪の初体験。3歳3ヶ月、まだおしゃべりも上手にできなかった君だけど、「キャッキャキャッキャ」と足や手を真っ赤にしながら楽しんでた君の姿は今も目に焼き付いている。
それからというもの、ときどき「MAXに乗ってまた雪で遊びたい」と言ってくれるようになったことは嬉しかった。まぁ、君の場合、雪よりも新幹線MAXに乗れたことのほうが思い出深かったのかもしれないけれど。笑
だから今年も新幹線に乗って雪で遊びに行きたいと思っていたら、雪が積もった。
君が4歳の時の大雪
1月6日(木)の大雪は、お昼前頃から降りだして、その日の夜の20時頃まで降ったんだ。関東の沿岸を通過した南岸低気圧に冬の寒さが加わって、我が家の周りでも約7cmは積もったから久しぶりにすごい。このあたりでは立派な大雪だった。
ずっと気温が低い1日で、君が住んでる場所の気温は最高でも2℃から3℃、最低は0℃以下。翌朝、バルコニーに流れたエアコンの水滴や睡蓮鉢の水は凍りついていたほどだった。
夕方、保育園から帰ってきた君は長靴のなかまですでにびっしょりで、早くもたくさん雪で遊んできたみたい。
帰ってきた途端に「パパー!雪だよー!足も手も冷たいよー!靴下さわってみて―」と言いながら、びしょびしょになった靴下を僕に触らせて、手のひらを僕の頬っぺたにあててきた。君はとっても冷え切っていたけれど、いつかの越後湯沢のときのような笑顔で楽しそうだった。
やっぱり雪って楽しいよね。ワクワクドキドキするよね。
きっと君はこれからも雪を好きになってくれるはず。君が大きくなったらスキーにも行きたい。一緒にバックカントリーを滑れたら嬉しいな。
翌朝、降り積もった雪はバリバリに凍り付いて怖かった。君は保育園に行くまでに3回も転びそうになりながらも、ゲラゲラと笑って雪と戯れていたんだよ。おかげでいつもの道のりが1.5倍もかかってしまったよ。でも、わかる、わかるよ、その気持ち。
雪っていいよね。
東京周辺の大雪は4年ぶりとニュースで言っていた。次はいつになるかわからない。もし4年後だったら君はもう8歳だ。
また雪、見に行こうね。また雪で一緒に遊ぼうね。
【おわり】